最近では従来の仕来りや形式にとらわれずに、様々な葬儀が執り行なわれるようになっています。
代表的なのが「家族葬」ですが、
「直葬」や「一日葬」といった簡易な葬儀も増えています。
中には一定の割合で「無宗教葬」も増えています。
無宗教葬は、その名の通り無宗教で執り行う葬儀。
自由葬と言われることもありますが、
現在は割合的に、金銭的にお坊さんを呼ぶのが難しい方が多い傾向ですが、
お墓を守ってくのが難しくなっている昨今ですから、今後増えていく傾向にあるでしょう。
でも、そもそも無宗教葬と言っても何をどうしたら良いの?
普通の葬儀と具体的に何が違うの?
と、お感じの方も多いかと思いますので簡単に違いを説明したいと思います。
無宗教の葬儀はどんな方に選ばれている?
Q.お葬式の形式は何でしたか
引用元:平成27年全互協冠婚葬祭1万人アンケートより
上記のアンケートによると2011年以降、
- 仏式88.2%
- 神式2.8%
- キリスト教0.7%
- 無宗教葬2.2%
割合は少ないですが、以前から一定の割合で無宗教葬をあげられる方はいます。
では、どんな方に選ばれているのか、その傾向としては
- 宗教にとらわれず自由な葬儀をしたい方
- 金銭的に葬儀費用を抑えたい方
近年ではエンディングノートに葬儀の希望を残される方もいらっしゃって、無宗教にこだわって葬儀を行う方もいらっしゃいますが、割合としては金銭的な理由が多い傾向。
お坊さんを呼ばないので、お布施・お車代、戒名料がかからないため葬儀費用が抑えられます。
家族葬や直葬(火葬のみ)で無宗教葬を執り行う方も
無宗教葬をあげる理由として「金銭的な事情」が多いとお伝えしましたが、
無宗教の場合、家族葬や火葬のみの直葬で行う御当家も多いです。
葬儀費用を抑える。
という目的でしたら、直葬がもっとも抑えられます。
無宗教の葬儀なのでお坊さんを呼びません
無宗教なので、葬儀にお坊さんは呼びません。
無宗教の葬儀はお経を頂きません。
お経を頂かないので、無宗教葬は上記のような流れになります。
無宗教葬の場合、一般的な葬儀より時間は短くなる傾向にあります。
無宗教の葬儀は俗名のまま
戒名や法名も頂きません。
ちなみに
戒名・法名は宗派によって呼び名が違うのですが。
戒名を頂くという事は、
「住職の弟子になる。」
というのが古くからのお寺の考えです。
無宗教で葬儀をあげるという事は、戒名は頂かないという事になります。
無宗教であげる葬儀の内容とは
無宗教で行う葬儀とはどんな葬儀なのか。
無宗教葬の流れや、形式など詳しくご紹介していきます。
無宗教葬はお通夜を偲ぶ会、告別式をお別れ会と呼ぶのが一般的
少し細かい話ですが…汗
無宗教の場合、
- お通夜を偲ぶ会
- 告別式をお別れ会
と呼ぶのが一般的です。
無宗教葬の一般的な流れとは
一般的な無宗教葬の偲ぶ会の流れとしては次の通りです。
[cat_box01 title=”偲ぶ会(お通夜)”]
- 開式の言葉
- 黙とう
- 故人の経歴を紹介
- 献花
- 喪主挨拶
- 閉式
[/cat_box01]
[cat_box01 title=”お別れ会(告別式)”]
- 開式の言葉
- 黙とう
- 弔電読み上げ
- お別れの儀
- 喪主挨拶
- 出棺
[/cat_box01]
大まかな流れをご紹介しましたが、無宗教の葬儀はこれといった決まりはありません。
ちなみに
通常の葬儀同様、司会者が進行していく形になります。
故人の要望で自由な葬儀の形式
無宗教葬では、故人が生前好きだったものを展示したり音楽を流すような形式で葬儀を執り行うケースもあります。
- 故人が生前好きだった音楽を流したり生演奏や合唱する
- 故人の趣味や思い出の品を展示す
- スライドや動画を流す
などです。
このように偲ぶ会(お通夜)は、形式にとらわれない自由な形で行われます。
[cat_fusen01 title=”無宗教葬に限らない”]無宗教に関わらず、仏教や信徒の葬儀でも故人の思い出の品を展示したりスライドを上映することは可能です。[/cat_fusen01]
無宗教だからいいけど、仏教や信徒はダメ
というものではありません。
一般的な葬儀でも故人の思い出の品など展示する方が増えています。
平成27年の全互協アンケートによりますと、2011年以降、葬儀・告別式で故人の思い出の品などを展示したり飾ったりしたという御当家が、約40%にものぼるという結果が出ています。
Q.葬儀・告別式で故人の思い出の品等を展示したり飾ったりしましたか
引用元:平成27年全互協冠婚葬祭1万人アンケートより
上記のグラフで「青が故人の思い出の品を展示したり飾ったりした」という割合です(2011年以降40.6%)
故人が生前、趣味にしていたものや思い出の品を飾る方は、無宗教に限らず増えているようです。
無宗教葬の費用相場とは
続いて、無宗教葬の費用についてご紹介していきます。
Q.お布施を除いたお葬式の費用はどれくらいでしたか
引用元:平成27年全互協冠婚葬祭1万人アンケートより
上記アンケートによると2011年以降、
- 50万以下(7.9%)
- 51~100万(15.9%)
- 101~150万(22.0%)
- 151~200万(13.7%)
※お布施を除いた金額です。
お布施を除いた一般的な葬儀費用は、100~150万くらいが平均的な相場と言われています。
無宗教の葬儀はお坊さんを呼ばないのでお布施・お車代・戒名代などかからないので、費用面では無宗教葬も大きく変わらないのですが…
無宗教の葬儀費用で変動する内容とは
ただ、近年インターネットによって葬儀費用は価格破壊が起こっています。
今までの葬儀費用が高すぎた…
という見方もできるわけですが、
20~50万くらいの費用で無宗教葬を行うことも可能です。
(地域による多少の違いがあります。)
葬儀費用は、飲食の部分が割と大きなウエイトを占めるので、親族の人数が少なければ費用は抑えられます。
無宗教で葬儀を行ったらその後のお骨や供養はどうなる?
無宗教で葬儀を行ったみたものの、その後の納骨や法要はどのようにおこなっていくのか。
葬儀後の供養も大切ですので、お伝えしておきます。
四十九日や一周忌の法事や法要はどうする?
四十九日や一周忌、三回忌、七回忌などの法要は、仏教の仕来りなので必要ありません。
仏教では「故人は霊となり、四十九日かけて成仏する。」という考えです。
その習わしに従い四十九日をさかい納骨するのも良いですが、信徒やキリスト教など宗教によって違いますので、この点も決まりはありません。
ただ、もう一つ付け加えますと
四十九日や一周忌・三回忌など法事・法要を行っても構いません。
お墓・納骨堂にお骨を納めるには
墓地や納骨堂は、
- 市町村が運営
- 宗教法人が運営
の2つに分類されるわけですが、
市町村の場合は、通常の手続きでお骨を納めることが可能です。
宗教法人が運営している場合は、管理が寺院だったりしますので
「無宗教で葬儀を行ったのですが、お骨を納めることは可能ですか?」
と、問い合わせてみましょう。
一般的に、宗教法人が運営する墓地や納骨堂の場合は納骨する際にお経を頂くことになると思います。
無宗教で葬儀を行った後のお墓以外の供養の形
無宗教で葬儀を執り行ったとしても、墓地や納骨堂にお骨を納める方もいらっしゃいます。
[cat_box01 title=”無宗教葬後の供養の形”]
- お寺の供養塔(終始宗派を問わない)
- 樹木葬
- 合祀墓
- 海への散骨
などが一般的です。
[/cat_box01]
身寄りのない方、
この先お墓を守っていくのが難しい場合や
自分の代までで孫や子供にも負担をかけたくない。
という方は、法要が不要になる「永代供養」を選ばれる方が多いでしょう。
海に散骨する
海に散骨する方法もございます。
- 生前、海に散骨することを希望していた方
- 身寄りのない方
- お墓の後継者がいない方
- 宗教に入らない方
など、様々な理由で海洋散骨を希望される方も増えています。
もちろん、勝手に散骨することはできません。
また、自治体ごとに海洋散骨が可能か、独自のルールがあるなどしますので、「地域名」+「海洋散骨」で検索してみると良いでしょう。
許可が必要ですし、海洋散骨の専門業者もございます。
まとめ
無宗教葬というのはある意味、こだわりや独自のスタイルを貫く形になると思いますので、「こんな葬儀にしたい」という特別な思いがあるなら事前に相談することをおすすめしますよ。
宗教にとらわれない葬儀になりますから、葬儀社の腕の見せ所でもあります。
何社か相談して決めると良いと思います。
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